交通事故の相手が無保険の場合にとるべき対応

交通事故12

交通事故に遭った時、ケガを負うなどして病院でかかった治療費を、相手方の任意保険会社から損害賠償金として受け取ることができます。けれども、相手が保険に加入していないと大変です。賠償金を受け取れない事態になるかもしれません。

そこで、こちらでは相手が無保険の時にとるべき対応についてまとめました。ちなみに、無保険というのは、相手が民間の任意保険に加入していないということをここでは指します。

相手が無保険だとこんな事態が起こり得る

交通事故に遭った時に相手が保険に加入していないと、どのようなことが起こり得るのでしょうか。まず、示談交渉が上手く進まないということが考えられます。通常の示談交渉は、任意保険会社の担当者が主導して進めます。

任意保険には大抵の場合、示談を代行してくれるサービスがついているからです。担当者が当事者双方を仲介してくれるため、当事者は感情的になりすぎずに言い分を主張することができますし、相手方と連絡が取れなくなるという心配もありません。

しかし、無保険では、全て当事者が直接やり取りしなければならず、交渉が上手くまとまらなかったり、相手方と連絡が取れなくなったりという問題が起こりやすくなります。また、相手方が保険に加入していれば、賠償金は保険会社から補償してもらうことができるのですが、加入していないと加害者本人が支払わなければなりません。

そのため、なんとか示談交渉を進めて慰謝料の金額を決定したとしても、約束通り払ってもらえるとは限りません。

「来月支払う」などと期限を延ばされているうちに、連絡がとれなくなってしまうケースもあります。他にも、慰謝料金額の計算や、後遺障害が出た場合の認定審査など、交通事故の後は様々なことを考慮しなければなりません。

通常であればそれら一切は、任意保険会社が代行して手続きしますから、その存在がないとなると、多くの手間と負担を自身で負うことを覚悟しなければならないでしょう。

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無保険車はどのくらい存在するのか

前述のように、相手方が無保険の場合には心配になってしまうことが色々と出てきますが、実際に世間には、どのくらいの無保険車が存在するのでしょうか。これについて、損害保険料率算定機構という機関が2015年に行った調査があります。

調査によると、任意保険に加入している人の割合は73.8%となっています。つまり、4台に1台は無保険車です。無保険車と事故を起こしてしまう可能性は、結構な割合で存在すると言えます。

相手が無保険だったらまず何をする?

では、無保険車と事故になってしまった場合には、どうすれば良いのでしょうか。まずは、相手方の連絡先をしっかりと確認しましょう。交通事故になれば必ず警察に連絡することになるため、「いざとなったら警察から連絡先を教えてもらえばいいや」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、示談交渉は当事者同士で行うべきものとされています。警察は交通事故の処理はしますが、示談交渉については民事不介入ということで関与せず、連絡先を教えてくれるとは限りません。相手方と連絡がとれなくなって泣き寝入りとならないように、気を付けましょう。

次にすべきは、損害額の算定です。物損のみの場合には比較的早く損害額が明らかになりますし、その金額も明確ですが、ケガを負ったなどの場合、どのくらいの治療費がかかるのかは完治するまで分かりません。後遺障害についても考えなければなりませんから、慰謝料の金額もなかなか決めにくいでしょう。

ですが、のんびりしていると、損害賠償を請求できる権利が時効で消滅してしまいますし、相手と連絡がつかなくなる要因にもなります。相手との連絡を絶やさないようにしながら、適宜、交渉の内容を書面などの形あるもので残すようにしましょう。

ちなみに、示談書の中に「今後、後遺障害が発生した際には、別途損害賠償金についての交渉を行う」などの文言を入れておくと、後で後遺障害が明らかになっても有利に交渉を運びやすくなります。

慰謝料を払ってもらえない時にとるべき対応

示談交渉で慰謝料額がまとまったにも関わらず、相手に何度催促しても支払ってくれない場合にはどうすれば良いのでしょうか。その際には、内容証明郵便を送るという方法があります。内容証明郵便は、相手に送付したもののコピーが、差出人と郵便局の手元にも残るようにする手続きです。

強制的に支払わせることはできませんが、通常と異なる形で請求することによって、相手に心理的なプレッシャーを与えることができます。また、プレッシャーを与えるという点では、支払督促を出すことも良いでしょう。支払督促は裁判所で手続きができます。

これも法的な強制力はありませんが、自身の強い態度を相手に示すことで効果的に働くことがあります。そして、支払督促でも払ってもらえない場合には、最終的には訴訟を起こすという解決方法があります。訴訟となると手続きが大変だったり時間が長くかかったりしますが、自分の方にしっかりとした証拠がある場合には、有利に訴訟を進める事ができるでしょう。

証拠を残すという観点からも、示談交渉の内容はきっちりとした契約書のような形にまとめて、法的に不備がないようにしておきましょう。

示談交渉によらずに何らかの補償を受けるためには

どうしても相手方との交渉がまとまらなかったり、そもそも交渉自体が出来なかったりという時には、次のような方法で、ある程度の補償を受けることができます。まずは、相手方の加入している自賠責保険に対して請求を行うという方法です。

自賠責保険というのは国によって加入が義務づけられている保険です。ここに請求をすることによって、ある程度の損害金額は補償されます。また、後遺障害についても、等級を取得すれば賠償が受けられます。しかし、自賠責保険の補償金には上限があります。

損害金額の全てをカバーするには足りないことが大半ですので、その点は覚悟しましょう。他に、自分自身で加入している保険に対して請求するということも方法の1つです。人身傷害補償保険に加入していれば、交通事故の被害者となった時に保険金を受け取ることができます。

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自賠責にも入っていない場合には政府保障事業

自賠責保険への加入は義務ですが、まれに自賠責にも加入していないというケースがあります。そうなると、損害賠償金を自賠責に対して請求することさえできません。そこで代わりの保障となるのが、政府保障事業制度です。

自賠責保険と同程度の填補金を受け取れます。自宅近くの損害保険会社窓口で申請用紙をもらえば、手続きすることが可能です。

弁護士にも相談してみよう

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交通事故の相手が無保険の場合には、示談交渉や損害賠償金額の決定など、自身でやらなければならないことが非常に多くあります。手間もかかりますが、自分にとって適正な賠償金を受け取れるようにするという点が何より大変です。

損害について泣き寝入りしたくないという場合は、交通事故の示談経験が豊富な弁護士に相談してみることも良いでしょう。

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